防犯カメラのクラウド保存(録画)とは?活用事例やクラウドの選び方を解説
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防犯カメラのクラウド保存(録画)とは、録画映像をHDDやSSDに保管せず、ネット上の仮想空間(クラウド)へ保管することです。
配線が難しい場所や屋外の監視などで活用される技術で、インターネット環境があれば自動的に録画映像を保管できます。
本記事では、防犯カメラのクラウド保存の概要や利用するメリットとデメリット、実際に活用されている現場、クラウドの選び方について解説します。
目次
防犯カメラのクラウド保存(録画)とは?
防犯カメラのクラウド保存機能とは、録画した映像をインターネット経由でクラウドへ送信し、保管する仕組みです。HDDやSDカードなどへ記録する必要はなく、インターネットがあればクラウドに自動で映像を保管できます。
記録媒体が必要ないため利便性が高く、屋外の監視や作業に活用されています。
防犯カメラの映像をクラウドに保存するメリット
防犯カメラの映像をクラウドに保存する3つのメリットを紹介します。クラウドを使用するか迷っている方は、以下のメリットを検討材料にしてみましょう。
録画機器の購入コスト削減
クラウド保存を用いれば、録画機器の購入コストを削減できます。防犯カメラの記録媒体は一般的に、SDカードやHDD(ハードディスクドライブ)、SDD(ソリッド・ステート・ドライブ)です。
SDカードやHDDは比較的安価で手に入りますが、録画容量が大きなものを選べばそれだけ高額となります。またSDDは比較的新しい技術を用いたドライブのため、SDやHDDよりも高額です。
クラウドは初期費用と月額費用が比較的安価で、上記の記録媒体を買うよりも初期費用を抑えられます。
モバイル端末で常時監視可能
クラウド保存の防犯カメラを使用すれば、モバイル端末で常時監視可能です。モバイル端末からクラウドにアクセスし、保管された映像を確認できます。
外出先から映像を確認したり、工事現場の様子を事務所などから遠隔監視する際にも便利です。
遠隔監視で移動コスト削減
防犯カメラのクラウド保存技術は、遠隔臨場にも活用されています。遠隔臨場とは工事現場の様子を現場監督が遠隔監視し、リアルタイムで指示を出すことです。
工事現場に監督が赴く必要がないため、時間や移動コストを削減できます。またSDカードと違い、カード受け渡しのための手間もありません。
防犯カメラの映像をクラウドに保存するデメリット
防犯カメラの映像をクラウドに保存するデメリットを3つ紹介します。クラウド保存は便利ですが、インターネット通信が必須な点では不便かもしれません。
設置場所のインターネット環境などをよく確認したうえで、防犯カメラ映像の記録をクラウドにするか検討しましょう。
クラウドのランニングコスト
クラウドの初期費用はHDD・SDDの購入コストと比べると安いですが、ランニングコストがかかります。多くのクラウドサービスは月額料金制で運用しており、容量によって費用が異なります。
初期費用はあまりかからずとも、継続的にランニングコストがかかるため、予算内で運用できるかも考えましょう。
インターネット環境の整備が必要
防犯カメラのクラウド保存を利用するには、インターネット環境の整備が必要です。インターネット環境がない場所へ防犯カメラを設置する場合は、あわせてインターネット回線工事を実施しましょう。
その際、回線の工事費や維持費などもランニングコストに計上しておく必要があります。
通信トラブルによる録画映像の消失
クラウド録画はインターネット環境ありきの保管方法のため、万が一通信トラブルが起きると映像が消失する可能性があります。例えば、落雷などによってルーターが落ちてしまうと、その間の録画映像は確認できません。
また映像に乱れが生じる、映像が飛んでしまう場合もあるため、通常の録画媒体よりも映像の質が落ちる可能性も想定しておきましょう。
クラウド録画機能が活用される現場
クラウド録画機能が活用される現場の事例を5つ紹介します。
工事現場の遠隔臨場
工事現場の遠隔臨場は、クラウド録画機能が活用されています。作業員が身につけたウェアラブルカメラの映像をネット通信でクラウドへ飛ばし、その画像を監督が監視します。
通信機能が付いているカメラを用いれば、インターネット環境の整備も不要です。
遠隔臨場の詳細については、遠隔臨場カメラとは?国土交通省も推奨する建築DXの導入メリットを解説にて解説しています。
工場の監視
クラウド録画機能は、工場の監視にも活用されています。工場の作業風景などを常時録画してクラウドへ保管し、監督します。
近年は顔認証やAIによる危険作業の判別機能も導入されており、同時に作業員の安全管理も可能です。
複数店舗の監視
複数の店舗を同時に監視したい場合も、クラウド録画機能付きの防犯カメラが役立ちます。複数の防犯カメラ映像をクラウドへ集約すれば、同時に違う場所にある店舗を監視可能です。
スーパーなどの小売り店舗の監視
面積の広いスーパーなどの小売店の監視にも、クラウド録画機能が活用されています。HDDやSSDへの配線工事が必要なく、手軽に複数箇所の監視が可能です。
定点観測のライブ配信
定点観測のライブ配信にも、クラウド録画機能が用いられています。氾濫が予測される河川の監視や街中の定点観測カメラなどが具体的な事例です。
クラウド録画機能では、距離に関係なく録画映像を記録・中継できるため、ライブ配信にも向いています。
クラウド保存できる防犯カメラの選び方
クラウド保存できる防犯カメラの選び方のポイントを解説します。
映像品質
クラウド保存できる防犯カメラを選ぶ際は、映像品質に注意しましょう。クラウドの容量に合わせて品質を調整しないと、すぐに容量がいっぱいとなります。
しかし、品質を下げると映像が荒く、監視の役割を果たさないため、適度な品質に調整してください。
クラウド容量
クラウド録画を利用する際は、クラウドの容量選択も重要です。クラウドの容量が大きいほど月額費用は高額ですが、容量が少ないと自動的に過去の映像が削除される場合があります。
自社の映像保管期間をよく考えたうえで、クラウド容量を選びましょう。
録画映像の保存期間
録画映像の保存期間も重要です。クラウドによっては、一定期間保存したのち、自動的に映像を削除する場合があります。
あまりに短い周期で映像が消えてしまうと、事故が発生した時に映像を確認できません。保管期限の縛りがあるかどうかなどを確認しておきましょう。
セキュリティ対策
クラウドは便利ですが、常時インターネットに接続されているため、不正アクセスの被害が懸念されます。万が一映像が流出すれば、プライバシー侵害などの責任を問われかねません。
そのためセキュリティ対策がしっかりしたクラウドを選ぶ必要があります。
料金
クラウドの利用には月額料金が必要です。自社の予算内で維持できるかどうか、クラウドの料金を比較したうえで保管先を選びましょう。
運営側のサポート・保守内容
防犯カメラの映像は、クラウド運営側が実施します。運営からどの程度のサポートが受けられるか、また保守点検などの内容を確認しましょう。
まとめ
防犯カメラを設置する場所によっては、録画映像の記録媒体との配線ができません。そのような時にクラウド保管機能がある防犯カメラを活用しましょう。
クラウド保管カメラは現在は工事現場などでも活用されています。
導入を検討している企業にとって、カメラやクラウドの選び方は重要な問題です。しかし、初めての導入だと何を基準にして良いかわからないでしょう。
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