日本での発売予定は!?欧米で話題のスマートホームの旗手Nest(ネスト)について!
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みなさんこんにちは、カメチョ編集部です。今回は前々からお伝えしたいと考えていた「IoT/スマートハウス」関連で話題の「Nest(ネスト)」に関しての内容です。家庭用の防犯カメラや異常を検知するセンサーにも関係する製品についてまとめてみました。高機能サーモスタットNest以外の似たような製品についてもあわせてご紹介します。
目次
「Nest」とは
Nest Learning Thermostat(以下Nestサーモスタット)とは一口でいうと、高機能な学習型サーモスタットなのですが、まずはサーモスタットが何なのか、について簡単に説明したいと思います。サーモスタットとは温度の変化を検知してスイッチやバルブを電気的・物理的に調整する機械のことです。車のエンジンの水温調節のためにラジエータについているバルブ部分や、コタツやトースターの温度が高くなった場合にスイッチを絶縁状態にして加熱を抑えたりしてくれる機械で、温度変化による気体や金属の膨張・収縮を使った単純なものから電気的な温度計が内蔵された複雑なものまで様々です。実はアメリカでは、多くの住宅でこのサーモスタッドが暖房などの空調設備と連動しており、室温の調節を担っています。このサーモスタットの再発明と呼ばれている製品がこの饅頭型のデバイス「nest」です。
製品の開発を行っているNest Labs(ネストラボ)は2010年に設立された新しい会社ですが、2014年に当時のGoogleに32億ドルという途方も無い金額で買収された(現在はGoogleもNest Labsも持ち株会社であるAlphabet Inc.の傘下)ことからもその先進性が伺えるはずです。その後も2014年に家庭用監視カメラのDropcamを5億5500万ドルで買収するなど破竹の勢いで事業を進めています。2015年には家庭用ネットワークカメラNest Camを発売し、Nestアプリで遠隔監視や有料のクラウドストレージも提供しています。
Nestで出来ること
Nestで出来る基本的なことはnestと連携が可能な家電製品を操作することです。例えば下記のビデオにあるように家電の遠隔操作やタイマー設定など様々です。
残念ながら日本国内ではnestサーモスタットの利用は難しい
最初に断って起きますが、日本国内で冷暖房と連動させて利用するにはサポートや対応する業者の面でかなりハードルが高いことを覚えておきましょう。国内では、電気製品による火災や感電を防ぐ目的で制定された「電機用品安全法(電安法)」の規制もあり、外出先からエアコンなどの家電の電源を入れることが法改正で許可されたのが2013年であり、欧米と比較すると全くといっていいほど規格が定まっていないという現状があります。ちなみにアメリカでは、自宅にある古いサーモスタットとNest サーモスタットを取り替えることで (ヨーロッパで主に利用されている暖房機ではヒートリンク(HEAT LINK)と呼ばれる機器をnestと暖房器具の間に挟む必要がありますが、) 簡単に置き換えることが出来ます。
ネストラボ(Nest Labs)の製品群
nestは連携が可能な家電などの機器を増やすべく「nest Developers」というフォーラムサイトにて開発者向けにAPIが公開※されているので、家電メーカーを始めとして多くの企業が対応製品を開発しています。Nestが自社で開発している製品はnest本体を含めて4製品あり、全て1つのスマホアプリで管理が出来ます。
※API(アプリケーションプログラムインターフェース)とは、平たく言うとインターネット経由で命令やデータをどのように渡したらどのような反応をするかを取り決めたプログラムの仕様のこと。APIを公開することで外部の開発者でも自社の製品・サービスと連携が出来るサービスを開発できるようになる。
1.Nest Cam Outdoor security camera
防塵・防水のネットワークカメラです。自宅のWi-Fiと接続して遠隔監視や動体検知の機能が利用出来ます。
2.Nest Learning Thermostat
こちらがnest本体で、冷暖房との連動を行います。
3.Nest Cam Indoor security camera
室内で使うネットワークカメラです。
4.Nest Protect smoke and CO alarm
こちらはGoogleに買収される前の2013年に発表されたデバイスで、こちらも日本では煙報知器の認定制度を取得していないため、新築煙報知器・火災報知機として設置することは出来ません。
ついでにNestに似た製品をご紹介
ブイログの「bPoint COMFORT」(日本)
こちらは日本国内で使える数少ないデバイスです。スマートハウス関連の冷暖房管理の真骨頂はセンサーとスマホアプリの家電の三位一体の統合にあるのですが、残念ながら日本ではPanasonicや日立が自社のエアコンを操作するためだけのアプリを提供しているだけで、Nest等のプラットフォームに対応する仕組みはあまり普及していません。ではこのbPoint COMCORTがどのようにしてエアコンを操作するのかといえば、「赤外線」です。日本の一般家庭にあるエアコンはほぼ全て赤外線リモコンで操作が可能ですので、わざわざインターネットにエアコンを接続させて温度を設定するなどの仕組みを構築せずとも赤外線で強引に操作してしまおうという発想の転換です(ただし、稼働状況や電力などのフィードバックが無い点がデメリット)。ブイログが販売するネットワークカメラVLOG CAM(ブイログカム)と併用することで、アプリ一つで自宅のペットの状態を映像で確認してエアコンを操作する、ことも可能になります。さらに、温度や湿度だけではなく、CO2濃度や、石油ストーブやエアコンによって発生する室内のtVOC(揮発性有機化合物)も計測できる高機能センサーとして活用できる点も特筆に値します。
ecobeeの「ecobee3」(カナダ)
ecobee3は形も使い方もNestサーモスタットに非常に似ていますが、実はecobeeが設立されたのはNest Labsよりも前の2007年です。直感的で分りやすい操作方法と複数の部屋の温度を一括で管理できる「子機」を備えたサーモスタットです。本体の操作画面も比較的解像度の高いものを採用しています。また、専用のスマートフォン/タブレット用アプリが用意されているだけでなく、スマートハウス用のコンシェルジュアプリとして散られているAppleのsiri/Apple HomeKit、アマゾンのamazon echoなどの音声認識と連携して操作を行うことが出来る点も大きな特徴の一つです。以前ご紹介したウェブサービス連携プラットフォームのIFTTT(イフト)を連携させることも可能です(参考記事「あの完全無線ネットワークカメラArloがIFTTTに対応!ん?ところでIFTTTって何?」)。
サムスンの「SmartThings」(韓国)
2015年からサービスの提供が始まったサムスンのSmartThingsは家電製品や家の鍵を操作するいわゆるホームオートメーションプラットフォームサービスです。ちなみに、もともとのSmartThings社は2014年にサムスンに買収されたわけなのですが。センサーやカメラなどの連動する製品はサードパーティー製のものを利用します。前述のecobeeと連携させることで冷暖房の操作も可能になります(一番大きな箱型のデバイスはサーモスタットではなく、機器を一括管理するための無線接続の親機です)。
参考/画像引用元
Nest Labs(ネストラボ)ホームページ
VLOG(ブイログ) [COMFORT]商品ページ
SAMSUNG[SmartThings]
Ecobee公式HP