【インタビュー】警備の質向上の鍵は防犯カメラ!?ガード・リサーチが考える「機械」と「人」の関係性

近年、日本でも様々な事件や犯罪が増え、企業だけでなく各個人でも防犯に対する意識が高まっています。防犯カメラの設置やホームセキュリティを導入する家庭も増えており、その性能も年々向上しています。
そこでこうした防犯に関するプロであり、名古屋を中心に幅広く警備会社を運営する「株式会社ガード・リサーチ」へ伺いました。50年近く前、まだ警備会社が少なかった頃から警備事業を行っており、熟練した警備のプロが考える現在のセキュリティ状況について、色々とお話を伺いました。今回お話を伺ったのは、株式会社ガード・リサーチ 専務取締役の松本様と、企画開発担当部長の岡崎様です。

株式会社 ガード・リサーチについて

--では最初に、株式会社ガード・リサーチ(以下ガード・リサーチ)がどういった事業を行っているのか、教えていただけますでしょうか。

はい。弊社は昭和45年に愛知県名古屋市で創業し、今年で48年になります。創業者である私の父が警察官僚だったんですが、転勤を重ねて、最後の勤務地の名古屋で退職後もそのまま残って、ガード・リサーチを設立しました。48年前の当時は警備会社も少なく、日本で最初に警備会社を立ち上げたといわれる「セコム」さんが50数年前なので、弊社は国内で草分け的な警備会社と言えるかも知れません。

主力となっている業務は「常駐警備」です。予め教育を施した警備員を依頼された場所へ派遣するというもの。専門用語でいうと「1号警備」と呼ばれるものです。

--ちなみに「1号警備」とか「2号警備」の違いって何ですか?

実は一言に警備業務と言っても、大きく4つの種類に分かれるんです。弊社では、1号~3号までを主な事業としており、3号警備は名古屋の一部でのみ受けているので、殆どが1号と2号警備になります。

この中で監視カメラが関わってくるとすれば、機械警備ですね。対象となる建物や施設にセンサーを設置して、異常を感知したら警備員が現場へ急行するという形態の業務のことを指します。弊社では機械警備を昔からやっているんですが、ここ10年ぐらいはカメラの監視業務も含まれるようになってきました。

~警備業の種類~

  • 1号警備業務:警備員を派遣する、施設警備とか常駐警備(機械警備も含まれる)
  • 2号警備業務:多くの人が集まる雑踏の警備、交通誘導、花火大会などのイベント警備など
  • 3号警備業務:貴重品輸送など
  • 4号警備業務:VIP警護など

ガード・リサーチが思う、防犯カメラの役割とは?

--当サイトが「カメチョ」という防犯カメラの比較サイトになるんですが、その防犯カメラというものを御社では、どのように考えていらっしゃいますか?

防犯カメラの役割って、昔に比べてどんどん変わってきている気がしますね。今は労働人口がどんどん減少してきていますが、そういった中でコストパフォーマンスの高い警備業務が求められているんです。そこで機械に置き換えられる業務は機械で、逆に人間は機械ではできない判断業務や緊急非常時対応とか、より付加価値の高い業務に特化していってるんですよね。

だから今の防犯カメラの位置づけとしては、人間がやっているものの一部、人間が対応している警備の一部を機械化する手段であると考えています。そこで人的コストが減ってOKというのではなく、より人間の警備の質を上げていくということなんですね。ルーティーンで出来ることはどんどんカメラに任せて行けると思うし、特に数ある業務の中でも「監視業務」はもっと機械化できるんじゃないかと思います。

--なるほど、監視業務ですね!

当社で行っている常駐警備業務の主な内容っていうのが、出入管理業務・巡回業務・監視業務になるんですが、この3つは相当機械化できるんじゃないかと思っています。

出入管理業務は、つまりは受付での対応になるんですけど、出入りする従業員や業者、車両を把握することです。具体的なところでいうと、「顔認証」の世界です。既に取り入れている施設や企業も多いですが、顔認証で判断出来ることで警備員の負担を大きく減らすことができます。

そして巡回業務は、構内の設備・施設に異常がないか見て回るものになるんですけど、例えば不審者や不審物、喫煙の規制・排除とかですね。基本的に人が回っていくのがメインになるんですが、施設が広いとどうしてもすべてを巡回するということもできないので、カメラを要所要所に入れてモニター監視するという方法も、需要が高まってきていると言えます。

最後に監視業務は、もうそのままですね。カメラで監視するという。

つまり警備会社からみると、カメラの位置づけとしては、人的経費を抑える・機械化できる“手段”ということになりますね。これは、お客様にとってもコスト削減に繋がります。

--では大きな括りでいうと、カメラなどで機械化することで警備のサービスを向上させるということですね。警備の基本は人であり、その中で機械化できるところは機械化して、人でないとできない警備のところを追求して、より付加価値の高い業務を行うというわけですね。

そうですね、付加価値の高い業務を行っていくことで、全体的に警備の質を上げていくという事なんです。

いくら機械化が進んだとしても、緊急異常時の対応なんかは人間じゃないとできないですしね。いくらAIの技術が進んだとしても、やはりここは人じゃないと出来ないことだと思っています。

--確かに、もし災害時などに機械と話したいか、人と話したいかというと、やはり人と話をしたいですもんね。

コンプライアンス遵守のもと、お客様を守る

--防犯カメラなどは、人的警備及び機械警備の際に併用して活用されるということですが、この機械警備を導入してもらうことで、警備会社としてお客様に対し、気を付けていることや注力していることはありますか?

やはり先ずは、警備員の教育ですかね。警備業には、警備業法というものがあって、いわゆるコンプランス規定のような形でまとめられているんですが、そこにも一番よく出てくるのが、やはり警備員の教育問題なんです。

警備の仕事はお客様の命や財産を守らなくてはいけないですから、警備員が皆、お客様の安心と安全を守る仕事だという理念と責任を持って、業務を遂行する必要があります。きちんと研修を行っているのか、研修報告の確認などを所轄の生活安全課が、毎年立ち入り検査に来てチェックするんです。さらに毎月1回、各現場に行って一人一人面談して指導する必要があります。

これが結構大変で、面談内容を細かく残しておく必要があって、警備員指導責任者という国家資格を持った担当者が最終確認をするという。とりまとめた簿冊を、立ち入り検査に来た所轄警察の担当者がくまなくチェックする形です。だから一番コンプライアンスには注意を払っています。

--確かに、警備というお仕事の特性として、安心と安全を提供するという部分があるので、利用者としてもそこをシッカリやって貰いたいという気持ちがありますもんね。何かあってからでは遅いというか、責任が重い仕事というのを感じますね。

そうですね。やはりお客様の生命や財産の安心安全という、普通の商品とはちょっと違うものを提供しているので、非常に気を付けていますね。

警備会社として考える今勧めたいカメラとは

--当サイト「カメチョ」は、個人のお客様から法人のお客様、設置業者などさまざまな方が見ているサイトになるんですが、ガード・リサーチ側から見て、今どういったカメラがオススメかなどありますか?

やっぱり最近のトレンドだと、ここ数年はネットワークカメラじゃないかなと思います。セキュリティーショーなんかでも沢山見かけますし、ネット回線とソフトウェア、AIが一緒になったカメラと言いますか、さらには顔認証であったりと、色々な機能が増えてきていますね。

ただ意外と日本に根強く残っているのは、昔から防犯・監視カメラを取りつけている人の需要。カメラを設置している人の多くはアナログカメラが主流で、東京オリンピックに向けて今の時期から2022年ぐらいまでを目途に、こうした昔からの利用者の買い替え需要というのも強くなってくるのかなと思います。まるまる買い替えるのではなくて、今使っている設備のままオプションなどで進化させたりして、使い勝手そのままで画像は綺麗になっていくということもあると思います。

電源がなくても使えるSIMカメラやソーラータイプ

--そうなんですね。確かに新しい機械がたくさん登場しているので、古いモノから買い替えを検討している人も多いかもしれませんね。では逆に新規だと、どういったものがきてるんでしょうか。

最近カメチョへの問い合わせでも増えているのが、SIM型のカメラ、いわゆる固定回線が引けないようなところに設置するカメラなんかが多いですね。

それは面白いですね。工事現場とかの警備でもありますけど、1ヵ月とか1年で作業が終わったら引き揚げてしまうので、たしかに回線を引くことは難しいですよね。なのでSIMを使って一時的に利用するということですね。おもしろい。

当社でも巡回警備などでは、SIM型カメラなんかを警備員が巡回時に身体に付けたりできればいいんだけど、今はまだ手ごろで実用的なものというのがないんですよね。これから2020年には東京オリンピックもありますから、巡回警備用のカメラなんかは需要が増えてくるかもしれないですね。

--SIM以外にも、ソーラーパネルを付けて電源さえもいらないカメラというのも、結構聞きますね。どうしても配線や設置場所によっては、電源やネットワークが取れないとかで難しいことも多いですし。

ソーラーも面白いと思いますね。以前、橋梁メーカーさんから橋の監視カメラの相談を受けた時に、電源の問題がありまして、大きな橋ならまだしも地方の小さい橋だったので、カメラなんかを設置するための電源がなかったんですよ。どうにかならないかという相談でしたが、やっぱり難しかったですね。

--ソーラーだけで動かすとなると、やっぱりパネルの大きさであったりとか、どうしても小型化ができない点もあって難しいですよね。今はまだ太陽光で電源を取るとなると、設備費も結構かかってしまうので。

そうですね。でもSIMカメラは警備側の視点から見ても、動きながらとかで対応できるので面白いです。

その他警備業務用途で注目されるカメラ関連商品

今回のインタビューでは、色々な種類のカメラについてお話をうかがっています。そこでインタビューの中にも登場した、ガード・リサーチ注目のカメラを5種類ご紹介します。

POEレコーダータイプ

今までの同軸ケーブルの配線でなくランケーブルで、配線可能となっているタイプです。カメラ自身の電源も必要なく、ワンケーブルで導入可能なので設置に便利です。

ウェアラブルカメラ

胸ポケットに差して使えるカメラです。警備巡回中の撮影。点検工事の撮影等色々なところで使えます。

クラウド録画タイプカメラ

現在主軸の録画タイプです。IOTを駆使してインターネット上でのデータ管理ができます。データ漏えいに強く、アップデートにより常に進化をするカメラです。

180度 360度カメラ

広範囲の撮影が可能なカメラです。カメラの設置台数が少なく広範囲を映すことが可能です

AIカメラ

動体検知機能をさらに発展させたサービス。ある特定の物(たとえば車や人等)が動いた際に感知するなど、AI技術の進化とともにさまざまな検知機能を備えたカメラ。

まとめ

--今回は貴重なお話をうかがえて、大変勉強になりました。やはり機械化することのベースとしては、コスト削減とか業務改善というところが、防犯カメラを導入する理由の位置づけなのかなと思っていましたが、一気にくつがえされました。もちろんコスト削減などはあるんですけど、その上で人の行う警備業務についても、機械でやれるところを機械化することで充実するというところを、しっかり考察して見つめていらっしゃるなと思いました。

そうですね。単にコスト削減というだけではなく、機械を導入することで人が担う部分のクオリティを上げていきたいんですよね。お客様が求めているのは、警備の“質”の向上なんです。

--機械を導入して便利にはなるけれど、それだけで終わっては意味がないですね。効率化すればするほど忘れがちになる“質の向上”、勉強になります。

本日は、お忙しい中本当にありがとうございました。