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国内の主要な顔認証サービスの特徴と導入事例・応用分野について調べてみた


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みなさん、こんにちは。今回は昨今話題の顔認証について簡単にまとめてみたいと思います。もちろん必須と言うわけではありませんが、防犯カメラ・監視カメラと関係の強い分野でもありますので、みなさん基本的な内容は理解しておいてもらいたいところです。とは言え、顔認証は、ATMなどのセキュリティ認証や入退出管理くらいの用途でしか今まで利用されていなかったのが現状ですが、今回は、どのような分野での応用が期待されているかについてもすこし考えてみたいと思います。

そもそも顔認証とは

顔認証とは、特定の個人を識別するために顔面の特徴をデータとして処理することで判別を行う仕組みのことです。顔認証は大きく分けると3つの技術に分かれており、1つは画像データから顔を検出する技術、そして2つめが顔のパーツの特徴を予めパターンとして学習する技術、3つめが顔の特徴をサンプルデータと照合し判別する技術です。

技術というものは大抵人間の能力を代替する、もしくは人間の能力を拡張し、人間では不可能な事をさせてしまうというもの、効率化させるというものですが、顔認識もその例に漏れません。人間であれば、顔を覚えておける人数は数百人程度が限度ですし、1秒間に何人もの顔を判別することは出来ませんよね。これが顔認証とシステムであればデータベースに何万人と言う顔の特徴のデータを保存しておき瞬時に判別させることが出来ますし、同時に何十人の人を判別することも出来ます。と言うわけで、従来人間が担っていた入退出管理以外の用途でも利用されるようになってきています。また、個人情報を収集しない「属性判定」の機能が実店舗でのマーケティングに活用されるようになりつつあります。ここでいう属性とは、年齢層や性別、身長や体格、個人か団体かなどのデータです。コンビニのPOS筐体の中には年齢と性別をレジの担当が入力できるようになっており、顧客情報として活用されていますが。小売店や雑貨であれば購入しなかった顧客の分も売上げ改善に必要であることを考えると、今後ますます重要になってくる技術といえるでしょう。

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各社の顔認証システムとその特徴を比較

顔認証技術では古参!NECの顔認証技術

 

情報・通信機器メーカーとして、比較的古くから顔認証技術に取り組んでいるのがNECグループです。そのNECの顔認証技術は、アメリカの国立標準技術研究所(NIST)の評価プログラムによって最高評価を獲得しており、その実績は折り紙つきです。特徴としては、群集の中から特定の個人を抽出して照合する機能や静止画だけでなく、複数枚の動画のコマを統合して判定する機能などが特に評価されているようです。VMS(ビデオ管理システム)最大手のMilestoneと組み合わせて本人確認を行う「NEO FACE(ネオフェイス)」、性別や年齢などの属性推定を行う「Field Analyst(フィールドアナリスト)」などの製品を開発しています。

パッケージ化された製品として展開されているわけではないため、おいそれと試してみることは難しいシステムですが、世界中の空港・港湾の監視や小売店舗の客層分析、PCなどの本人確認などに利用されています。属性分析システムのFieldViewのミニマムなシステムだと50万円~程度で構築が可能ということですが、読者諸兄が考えていたよりも安い価格なのではないではないでしょうか。

ちなみに筆者NECの属性分析システム「Field Analyst(フィールドアナリスト)」を試してみたところ、「男性、32歳」と認識されました(誤差はありますが、人間の認知にかなり近い数値だと感じました)。

活用分野

・施設の入退管理

・PCなどの本人確認

・商業施設の顧客分析

通貨処理で培った画像処理!グローリーの顔認証システム

自動釣銭機や両替機、コインロッカーなどを製造するグローリー株式会社も顔認証のシステムを提供しています。大きな特徴とは、長年、通貨処理製品を製造する中で培った画像処理のノウハウによる精度の高さです。さらに眼鏡や帽子の有無、髪型の変化に対応できることも特徴のひとつです。また、顔のデータを3次元的に処理することで、様々な角度から撮影された顔にも対応できることもポイントのひとつと言えるでしょう。

活用分野

・来訪者検知システム

・来訪者属性通知

・入館管理

クラウドサービスとして提供される顔認証システム!株式会社アロバビューの「アロバビューコーロ」!

アロバビュー社は、監視カメラの管理を行うためのVMS(複数のネットワークカメラの映像を統合管理し、閲覧やデータの保存、参照、分析を行うビデオ管理システムのこと)を開発・提供しています。小規模でも属性分析や入退室管理を行うことができますが、その画像認識や抽出を行う技術を顔認識と組み合わせて提供しています。最大の特徴は、ゼロからシステムのカスタマイズや組み込みを行うのではなく、既存のNAS(ネットワークに接続するストレージ)にインストールして利用できるシステムになっており、導入のハードルが非常に低いという点でしょう。ただし、顔認証の精度の指標となる本FRR(False Rejection Rate:本人拒否率)、FAE(False Acceptance Rate:他人受入率)の数値が専用にカスタマイズされた製品と比較して劣っているというデメリットはあります。

株式会社アロバビューが提供する「アロバビューコーロ」は、設置場所や管理施設に監視サーバーの構築が必要な大掛かりなものではなく、ネットワークカメラで撮影した映像をアロバビューコーロのサーバーに送るだけで分析が出来てしまうもので、導入が非常に容易であることが特徴です。

活用分野

・商業施設の属性分析

・イベント会場の人数カウントなど

まとめ

いかがでしょうか。ひとくちに顔認証技術と言っても仕組みや用途がさまざまあることが理解いただけたと思います。施設の入退管理であれば鍵の受け渡しなどの心配がなくなりますし、100パーセントの精度を求めなければ、店舗のマーケティングなど、幅広い対応が可能になります。

マーケティングでの活用といえば、2011年からJR山手線に導入が開始され始めた大画面ディスプレイの自動販売機も購入者の属性を把握して提案してくれています。仙台や大阪でも見ることができるので、関東在住の人でも見たことがあるかもしれません。実はこの自動販売機は画面の上部にカメラが取り付けてあり、前を通った人の年齢と性別を判定し、更に時間帯やその日の天気に合わせた商品をオススメとして紹介してくれる仕組みになっています。タッチパネルで商品を選ぶことに気をとられて、気がついていない人の方が多いかも知れませんが、顧客や売上げのデータを収集しているのです。いつも使う駅にこの次世代自販機を見かける方は一度、どんな商品がおすすめされるのか試してみるのもいいでしょう。

ちなみに筆者は20代なのにコーヒーとお茶をオススメされましたよ。炭酸飲料をオススメされたかったのですが。

参考:FoodWatchJapan[JRの“次世代自動販売機”がグッドデザイン賞に]

カメチョでは、複数台のネットワークカメラの導入方法や、監視カメラを店舗でのマーケティングに活用する方法などのご相談承りますので、ご興味のある方は是非お問合わせください。


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