防犯カメラ映像の保存期間はどの程度?期間録画をのばす方法も解説
お電話でのご相談はこちらの番号から[03-6632-1582](土日祝を除く9:00~18:00)
防犯カメラを設置する際、重要となるのが「保存期間」です。
保存期間が短い場合、保存しておきたかった映像を残せない恐れがあります。逆に保存期間が長すぎると、確認したい映像を探すことに手間がかかってしまいます。
そのため、防犯カメラを購入する前に、保存期間に関する知識を知っておくことが重要です。
そこで本記事では、以下の内容を紹介します。
- 防犯カメラの保存期間の程度
- 防犯カメラの保存期間が決まる要素
- 防犯カメラの保存期間をのばす方法
- 適切な保存期間
防犯カメラの設置を検討している人は、ぜひ参考にしてしてみてください。
目次
防犯カメラの保存期間は?
保存期間(フルHD画質,30fps) | |
HDD | 約75時間(1TB) |
SDカード | 約15時間(128GB) |
SSD | 約75時間(1TB) |
クラウド | 契約日数分 |
防犯カメラの保存期間は、表のように使用している記録媒体によって異なることが基本的です。
1つ目のHDDは普及率が高い記録媒体で、低価格かつ保存期間が長く、コストパフォーマンスに長けているというがあります。ただ、衝撃に弱く防犯カメラに内蔵することが難しいため、別の専用レコーダーに内蔵して録画しています。
2つ目のSDカードは、スマホやデジタルカメラなどに使用されている記録媒体です。低価格で簡単に映像を残せる使い勝手の良さが魅力的ですが、保存期間は短く長期保存に適していません。
3つ目のSSDはHDDと同様の記録媒体で、保存期間は同じくらいです。HDDより衝撃に強く壊れにくく、コンパクトなサイズ感と電力消費の少なさに特徴があります。主に屋外用防犯カメラとして利用されています。
最後に、クラウドは、インターネット上に映像データを保存するサービスのことです。録画装置の設置が必要なく、映像データを盗まれたり壊されたりする心配はありません。インターネット上に映像データがあるため、遠距離から防犯カメラの映像を確認できます。ただし、これは契約日数分だけ保存期間が決まるタイプの防犯カメラです。
このように、防犯カメラに使用している記録媒体によって、それぞれ特徴や保存期間が異なります。
各施設の防犯カメラの保存期間
各施設の防犯カメラは、以下の保存期間が一般的とされています。
- 自宅・・・ ~1週間
- 集合住宅・マンション・・・ 1週間~1ヵ月
- ATM・・・ 1ヵ月~3ヵ月
- コンビニエンスストア・・・ 1週間~1ヵ月
- 金融機関・・・ 1ヵ月~1年間
- 工場…1年以上
- 学校…2週間〜1ヶ月
- 病院…2週間〜1ヶ月
防犯カメラの保存期間は特に決まりはなく、各施設が自由に設定できます。ただ、防犯カメラ保存期間が短すぎると重要な映像を記録できていないことがあり、逆に長すぎると必要な映像データを探すことが大変になるといった弊害が生じます。
そのため、防犯カメラの保存期間は各施設に相場のようなものが設定されているのです。
とはいえ、全ての施設が防犯カメラの保存期間を自由に決められるわけではありません。市役所や公民館などの公的施設だと、市町村のガイドラインに沿って防犯カメラの保存期間が定められているケースもあります。
工場などは製品に関連するトラブルが後ほど発覚するケースもあるため、基本的に1年以上防犯カメラの動画を保存するのが通例となっています。
また学校や病院などではトラブル発生後にすぐ映像を確認することが多いため、2週間〜1ヶ月程度の保管で十分とされています。
行政の防犯カメラの保存期間
市役所…1週間〜1ヶ月
警察署…1ヶ月
行政が管理する施設は、市区町村別にガイドラインが定められており保存期間もさまざまです。たとえば「新宿区防犯カメラの設置及び運用に関する要綱第7条」によると、保存期間は7日以内として、当該期間を経過したあとは速やかに動画の消去が求められます。
ただし1週間以上の保存が必要とされる場合は区長と協議のうえで、7日以上の動画保管期間を設けることが可能です。
一方でさいたま市の「さいたま市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」によると、画像の保存期間は1ヶ月とされています。また警察署が設置する街灯防犯カメラは30日間の保管が原則です。(【参考】街頭防犯カメラシステム 警視庁)
自治体によって保存期間のガイドラインは異なるため、設置前に確認したうえで適切な保存期間を設けましょう。
街頭防犯カメラの保存期間
街頭防犯カメラの保存期間は、各地域の自治体によって設定されています。具体的には、以下の通りです。
- 大阪市:最大1ヵ月
- 枚方市:7日間
- 愛知県:最大1ヵ月
街頭防犯カメラの保存期間が定められている理由は、映像データの流出・漏えいリスクを軽減するためです。
街の安全を守る街頭防犯カメラですが、その反面、不特定多数の人を撮影します。悪用されるとプライバシーを侵害する恐れがあるため、各地域に沿った必要最低限の保存期間を決めています。
防犯カメラの保存期間はどうやって決まる?
防犯カメラの保存期間は、主に以下の4つの要素によって決まります。
- 記録媒体の容量
- 画質
- フレームレート(fps)
- 防犯カメラの設置台数
では、順に見ていきましょう。
記録媒体の容量
先ほども紹介した通り、防犯カメラの映像は記録媒体を通じて保存されます。記録媒体は主に「HDD」「SDカード」「SSD」「クラウド」の4種類があります。
記録媒体の容量が大きいほど、保存期間が長くなります。
画質
防犯カメラの画質も、保存期間の長さが変わる要素の1つです。
解像度が高くて鮮明な画質だと、保存するときに必要な容量が増えます。「保存に必要な容量が増える=圧迫されて保存期間が短くなる」ということです。
逆に言えば、画質が悪いと保存期間が長くなります。
フレームレート(fps)
動画は、画像を連続撮影したものを合体して構成されています。フレームレート(fps)とは、1秒間の動画に何枚画像を連続撮影するのかを示す数値です。
例えば、5fpsだと違和感のある動きになり、30fpsだとテレビ映像のような自然な映像でしょう。防犯カメラの場合は、3fps~5fpsに設定されることが一般的です。
フレームレートが高くなると、1秒間に連続撮影する画像枚数が増加し、映像データに必要な容量も大きくなります。その結果、保存期間が短くなってしまうでしょう。
防犯カメラの設置台数
1つのレコーダーに対して防犯カメラを複数台接続すると、接続している台数分、保存期間が少なくなります。
保存期間を気にする場合は、1つのレコーダーに接続している防犯カメラの数を減らしたり、別のレコーダーに接続したりしましょう。
防犯カメラの保存期間をのばす方法
防犯カメラの保存期間をのばしたい場合は、以下の方法を試しましょう。
- HDDを増設する
- 画質やフレームレートを下げる
- 稼働時間を少なくする
防犯カメラを利用した際に「保存期間をもっとのばしたいものの記録媒体の容量が足りない」といった課題が発生したときは、ぜひ参考にしてみてください。
HDDを増設する
防犯カメラの保存期間をのばす方法でも1番簡単で最適なのが、「HDDを増設すること」です。
HDDを増設すれば、容量分防犯カメラの保存期間がのびます。また、防犯カメラの設定を変更しないため、画質やフレームレートを落とさず今まで通り運用が可能です。
例えば、安全管理証拠映像として一定期間以上の撮影が必要な食品工場や、工事期間中は全行程を切れ目がなく録画し続けなければならない建築現場などは、防犯カメラの保存期間をのばす方法としてHDDの増設が有効的です。
防犯カメラの保存期間を長期間にのばしたい場合は、HDDを増設する方法を活用するといいでしょう。
画質やフレームレートを下げる
画質やフレームレートを下げることで、映像データの保存に必要な容量を抑えられて、防犯カメラの保存期間がのびます。ほとんどの防犯カメラは、手動で画質やフレームレートを簡単に下げられるでしょう。
「防犯カメラの保存期間をのばしたいけど今使用している機材だけでどうにかしたい」というときに最適です。
ただし、この方法を活用する際は画質やフレームレートを下げすぎないように注意しましょう。
画質が低下すると、防犯カメラに不審者が映ったとしても犯人の顔が識別しづらくなります。フレームレートも、素早い動きに追いつかず服装や人相などを判断できなくなります。つまり、「保存期間はのびても、防犯カメラとしての役割が薄くなりやすい」ということです。
防犯目的で防犯カメラを活用するのであれば、画質やフレームレートはある程度残しておくことをおすすめします。
稼働時間を少なくする
稼働時間を少なくすれば、記録する映像データが少なくなって防犯カメラの保存期間をのばせます。防犯カメラの映像記録が24時間も必要でないときは、この方法がおすすめです。
例えば、空き巣防止目的で防犯カメラを設置している自宅だと、家に誰もいないときに防犯カメラが役立ちます。
そのため、休日や睡眠時など、自宅にいるときは防犯カメラを稼働させる必要性はあまりありません。また、車の盗難防止目的で防犯カメラを設置している場合も同様に、車を使用している際は稼働の必要はないでしょう。
このように、防犯カメラを利用する目的によっては、24時間稼働させなくてもあまり問題ないケースがあります。稼働しなくてもいい時間帯に停止させることで、防犯カメラの保存期間をのばすことは十分に可能です。
防犯カメラの保存期間はどのくらいが適切?
防犯カメラの適切な保存期間は、使用目的によって変わります。
例えば、食品工場などで異物混入を確認する目的で防犯カメラを設定している場合は、1年~2年程度の長期保存が望ましいです。自宅の防犯目的であれば、確認頻度にもよりますが1週間程度が無難でしょう。
このように、防犯カメラの保存期間に最適解はありません。防犯カメラの映像を確認する頻度に応じて保存期間を設定すると、防犯カメラをうまく運用していけるでしょう。
保存期間が過ぎそうな必要データはバックアップを
保存期間が過ぎそうなデータが後に必要な場合は、USBメモリーやSDカードに防犯カメラを接続してバックアップしておきましょう。なぜなら、多くの防犯カメラは保存期間が過ぎたら古いデータから順番に削除するためです。
防犯カメラを運用していると、保存期間が過ぎそうな映像データが必要になるケースがあります。例えば、侵入者の映像データや事件解決の手がかりとなる映像を警察に届ける必要があるものの、日程の問題で保存期間外になる場合などが挙げられます。
このようなときのための防犯カメラであるのに、保存期間の経過が原因で映像が用意できなければ、防犯カメラを設置している意味がありません。大切な映像データは、保存期間が過ぎる前にバックアップをしておきましょう。
防犯カメラのバックアップにおすすめの媒体を4つ紹介します。
HDD
HDD(ハードディスクドライブ)は磁気ディスクを高速で回転させ、大容量のデータをディスクに書き込む媒体です。
HDDは古くから流通している技術であり、大容量の情報を保存可能なうえ、比較的安価に入手できます。
増設も簡単なため、既存のHDDドライブがいっぱいになった際に新しいHDDを接続してバックアップ容量を増やす際にも便利です。
ただしHDDの構造上衝撃に弱く、落下の衝撃や強い磁気によって破損する可能性があります。また電力消費量の大きさ、読み書きのスピードが次の項目で解説するSSDよりもやや遅いため動画容量が大きいほど読み出し・書き出しの速度が遅いです。
デメリットはありますが、安価で入手できて容量が大きなHDDも流通していることから、防犯カメラ映像のバックアップにおすすめのドライブです。
SSD
SSD(ソリッドステートドライブ)は半導体メモリにデータを読み書きできる媒体です。半導体のメモリにデータを書き出す構造のため、読み書き速度が非常に速く、大容量の防犯カメラ映像の記録に適しています。
特に工場のように1年以上防犯カメラの映像を保管するような場合は、録画容量が大きくなる傾向にあるためおすすめです。
またHDDと比べて衝撃に強く、静音性に優れています。消費電力も少ないため、ランニングコストを下げる効果があるでしょう。
SSDは磁気ディスクを内蔵しておらず、小さな半導体で構成されているため薄型でコンパクトであり、場所を取らない点もメリットです。
ただし比較的新しい技術であるため、HDDと比べて価格はかなり高額となります。また半導体を使用している精密機械であるため熱に弱く、環境によっては突然故障してデータが失われるリスクがある点を覚えておきましょう。
クラウド
クラウドとはインターネット上の仮想空間のことで、割り当てられた容量内であれば自由にデータを保管できます。
HDDやSSDのように、物理的なドライブを購入する必要がなく設置場所や環境を選びません。
またデータの共有が容易になる点もメリットで、防犯カメラの映像を場所を選ばずに確認できます。メンテナンスなどもクラウドの提供事業者が実施するため、維持管理も簡単です。
クラウドのデメリットは容量に応じた月額使用料がかかることです。
クラウドを利用するためにはサービス提供者と契約を結び、クラウドの使用権を購入する必要があります。
大容量のデータをクラウドへ保管するとかなりの容量のクラウドが必要であり、利用料も高くなります。
またクラウドはプラットフォームを運用する事業者依存の仕組みである点に注意してください。事業者がサービス提供を停止すれば、クラウドが使えなくなりデータ移行する必要が生じます。
SD
SDカードに防犯カメラのバックアップを取ることもできます。SDカードは広く流通しているため気軽に購入でき、比較的安価です。
ただし容量がHDD・SSDやクラウドよりも小さいものが多く、大容量のデータ保存には向いていません。
以上のように防犯カメラの録画バックアップにはさまざまな手段があります。録画容量が大きい場合はHDDとSSDを併用すれば、費用を抑えてデータを的確に保管可能です。
保存期間を守って防犯カメラ映像を活用するために、バックアップ方法も含めて防犯カメラ設置業者にご相談ください。
必要な映像を録画できる保存期間の防犯カメラを使おう
今回は、防犯カメラの保存期間の程度や保存期間が決まる要素、保存期間をのばす方法などを紹介しました。
防犯カメラの保存期間は、使用している記録媒体によって異なります。
保存期間が決まる要素は、「記録媒体の容量」「画質」「フレームレート(fps)」「防犯カメラの設置台数」の4つです。HDDを増設したり画質やフレームレートを下げたりすることで、防犯カメラの保存期間をのばせます。
いざというときのために、必要になる映像データは保存期間が過ぎる前にバックアップをとりましょう。
また、防犯カメラ映像の保存期間は、短すぎても長すぎても使い勝手が悪くなります。使用目的や映像データの確認頻度に合わせて、適切な保存期間の防犯カメラを使いましょう。
「防犯カメラの利用を検討しているけど、どうれくらいの保存期間がいいのか分からない」という方は、お気軽にカメチョにお問い合わせください。防犯カメラの保存期間に関する相談を無料でさせていただきます。