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みなさん、こんにちは。カメチョ編集部です。今回は世界最大のネットワークカメラシステムメーカーであるアクシスコミュニケーションズ(以下、アクシスと呼称)についてご説明したいと思います。防犯カメラや監視カメラの導入を検討している方なら一度は聞いたことがあるかもしれないアクシスですが、高価なカメラを製造しているメーカーという印象しか持って居ない向きも多いかと思いますので、どんな会社で製品にどんな特徴があるかとざっとまとめてみたいと思います。

アクシスコミュニケーションズとは

ネットワークカメラとして非常に多くの種類のカメラを取り揃えている(2016年10月現在189種類)アクシスですが、もともとはプリントサーバーを開発していたスウェーデンのメーカーで、90年代末ごろからIPネットワークを利用したデジタルカメラシステムの開発を行っています。昨今ではネットワークカメラのセンサー技術の向上、ネットワークの通信技術の向上などの理由からネットワークカメラの高解像度化と低価格化が進行していますが、その中でもアクシスは監視カメラシステムにおいて売上ベースの世界シェアトップに位置する巨大メーカーとして君臨し、全世界でカメラを販売しています。

アクシスコミュニケーションズは何がすごいか

監視カメラシステムをトータルとして提供出来るので、小規模監視から大規模監視まで幅広く柔軟に対応できることがその理由です。意外に思われるかもしれませんがアクシスはネットワークカメラの生産設備を自社では保有していません。開発・設計を主に社内で行い、製造は外部に委託しています。キヤノンの子会社になったことで、光学機器の製造ノウハウや既存レンズの共通化などのメリットも考えられますが、基本的に監視カメラシステムに利用されるネットワークカメラは、ちょうどパソコンと同様に汎用の部品を組み合わせて製造しているので機器自体の差別化というよりむしろ録画装置も含めたパッケージとしての価値が重視されるようになっています。アクシスのメーカーとしての特徴を下記にまとめてみましたのでご覧ください。

参考URL:キヤノン、監視カメラ世界最大手を買収 3300億円で(日本経済新聞電子版2015.2.10付)

・ネットワークカメラ本体の設計ノウハウ

実はアクシスはカメラやソフトウェアの開発拠点は持っているものの、生産設備は全て外部に委託した生産を行っています。レンズ交換式かレンズ固定式かにかかわらずレンズは社外製の汎用品を使っていますし、イメージセンサーも基本的にはSONY製のものを採用しています。では、アクシスのカメラにどんな独自性があるかといえば間違いなくイメージ処理チップの「ARTPEC(アートペック)」です。デジタル一眼レフカメラでたとえるならCannonのDigicシリーズやSONYのBIONZシリーズなどの画像処理エンジンに技術を集積させているのと同様に、映像の圧縮技術や低消費電力化や高解像度対応・ダイナミックレンジ補正などのコア技術をこのARTPECに詰め込んでいるわけなのです。後述しますが、この点は非常に重要です。
その他にもネットワークカメラを利用した監視カメラシステムの構築に必要な機器やソフトウェアも余すところ無く網羅しています。以下で簡単に説明します。

・ビデオエンコーダー(ビデオ信号のアナログ/デジタル変換)

アナログの監視カメラシステムから高画質のデジタル方式への切り替えが行われていますが、設備投資が増大になるため、次善策として録画装置やモニタリング設備のみデジタル方式に変える「AHD(アナログハイビジョン)方式」の監視カメラシステムを構築する場合に利用されるエンコーダー装置も開発・提供しています。アナログPTZ操作の信号をデジタルPTZの信号に変換することも可能です。

参考URL:http://www.axis.com/jp/ja/products/video-encoders/

・ハウジングとカメラマウント


カメラを収めるハウジングやライト、スピーカー等を設置するためのアダプターなども提要しています。

・PTZカメラ用のコントロールユニット

モニタリング画面の切り替えやPTZ操作、記録した映像の確認作業が楽になる操作機器も製造している

PTZ(パン・ティルト・ズーム)などの機能を制御するリモートコントローラー等の製品群も製造しており、常時監視が必要になる大規模な監視カメラシステムの構築も容易です。

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・録画サーバー

モニタリングPCと一体化したタイプのほかにも小規模店舗・オフィス用にプラグアンドプレイのスマートなレコーダーも用意されている

規模に応じた録画サーバーももちろん提供しています。小規模店舗用にかなりスマートで省スペースな録画スペースも魅力です。

参考URL:http://www.axis.com/jp/ja/products/video-recorders

・監視用ソフトウェア「AXIS Camera Station」

「AXIS Camera Station(アクシスカメラステーション)」と呼ばれるモニタリングソフトをインストールすれば、遠隔でのモニタリングが直感的な操作で可能になります。一般的なWebブラウザでモニタリングを行うことも出来ます。

・モバイル端末用監視アプリ

スマートフォンやタブレットでの監視用に専用アプリも開発しています。

通信帯域・録画容量節約のための「Zipstreamテクノロジー」を実装

画質は同じでもH.264に独自技術を盛り込むことで、さらに高い圧縮率を可能にしている事がわかる。PanasonicやSony、日立などの名立たる総合電機メーカーも帯域の削減に関しては技術開発に躍起になっており、いずれも技術的には横一線の状況だ。

参考URL:http://www.axis.com/jp/ja/technologies/zipstream

・映像解析用のソフトウェアの多様なカスタマイズが出来る

アクシスが他社と異なる点として挙げられるのが映像解析用の基礎APIおよび開発環境(Axisカメラアプリケーション・プラットフォーム [ACAP])が一般に公開されており、システム会社などのパートナー企業がアクシス社のネットワークカメラを利用して人数のカウントや特定エリアの侵入検知、店舗内の顧客動向などを解析できるツールを開発することが出来ます。

参考URL:http://www.axis.com/jp/ja/support/developer-support/axis-camera-application-platform

まとめ

いかがだったでしょうか。カメラが2、3台で構築する比較的小規模な防犯カメラシステムだとしても対応できる懐の深さをもっているのがアクシスコミュニケーションの特徴です。単純なネットワークカメラメーカーではなくカメラ本体から監視サーバー、スイッチングハブやカメラハウジングや映像解析ソフトウェアに至るまで全てトータルとして提供できるからこそ、全世界でトップの売上を上げていますし、キヤノンが3000億円を出してでも子会社にしたかったのにも頷けます。レンズ交換式のカメラレンズは現在富士フィルムやTheia社製のレンズを利用することになるので、その点は外部メーカーのレンズを利用することになりますが、デジタル一眼レフカメラの世界最大手キヤノンの子会社になったことで、高性能なレンズを開発することも今後ありえるかも知れません。まさに磐石の体制といえるでしょう。
とは言うものの、ONVIF規格の発起人であるアクシス製のカメラ及びレコーダー、録画サーバーなどは基本的には同規格に対応しているので、同じくONVIF規格を搭載したカメラであればアクシス以外のメーカーのカメラでも録画やPTZ機能を実装できるので(「Zipstream」など一部機能は利用できない場合もありますが)、映像管理ソフトウェアのみアクシスを利用する手もあるでしょう。

カメチョでは、国内最大手のPanasonicをはじめとして、アクシスコミュニケーションズやSONYなどの大手メーカーの取扱い業者をご紹介できますので、導入にご興味のある方は是非ご相談くださいませ!!


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