病室に監視カメラは必要?メリットや設置時の注意点を解説
病室では、患者さんの容態が急変したり看護師と患者さんのトラブルの発生など、日々さまざまな出来事が起こります。
監視カメラを設置すれば日々発生する出来事をすべて把握できますが、扱い方によってはプライバシーの侵害となり、病院としての信頼性を失う恐れもあるでしょう。
本記事では、病室に監視カメラを設置するメリットや注意点、プライバシーの侵害になるかどうかなどを紹介します。
病室に監視カメラを設置しようか検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
病室内で起こり得るトラブル
病室で想定されるトラブルを紹介します。監視カメラの設置によって防げるトラブルを知っておきましょう。
患者さん同士の揉め事
病室内では患者さん同士の揉め事が起きる可能性があります。相部屋を利用している場合は見舞客の声が大きくて眠れないというクレームが入ったり、相手の生活音が原因で喧嘩になるケースが考えられるでしょう。
監視カメラがあれば、万が一揉め事が起きた際に即座に止めに入ることができます。
病室荒らし
病院では病室荒らしの被害も報告されています。病室荒らしとは病室にある貴重品の窃盗のことです。外部からの侵入者による盗難被害だけでなく、同病院の患者さんによる窃盗も起こります。監視カメラがあることで犯罪の抑止、また万が一窃盗が発生した際に迅速に対応可能です。
無断退院・徘徊
病院を無断で退院してしまう人、また認知症の患者さんが徘徊した際も監視カメラが役に立ちます。無断で退院したことに即座に気づけば、無断退院を止められます。また徘徊した高齢者をいち早く見つけることで、ケガや事故のリスクを下げられるでしょう。
患者と職員のトラブル
病室内で起きる患者さんと職員のトラブルも、監視カメラで抑止できます。例えば、男性の患者さんによる看護師へのセクハラなども監視カメラがあれば、他のスタッフが止めに入るなどの対策ができるでしょう。また医療ミストラブルも、監視カメラによって防止できます。新人の看護師などを監視しておけば、万が一間違った処置をしている場合に即座に対処が可能です。
病室に監視カメラは必要?設置するメリットを紹介
結論からいうと、病室に監視カメラは必須とまでは言わないものの、あると便利です。監視カメラが病室にあると、以下のようなメリットがあります。
- 病室にいる患者さんの容態をいち早く察知できる
- 患者さんに近づく不審者に気付ける
- 病室で発生した事件をスムーズに解消できる
では、順に見ていきましょう。
病室にいる患者さんの容態をいち早く察知できる
監視カメラが病室にあると、病室内の患者さんの容態をいち早く察知できます。
例えば、動いてはいけない患者さんが我慢できずに動く、無理に動いて転倒する、といったことが起きても巡回してからでないと気付けません。しかし、監視カメラを病室に設置していれば、巡回時間でなくても患者さんの様子を瞬時にキャッチできます。
また、患者さんが突然苦しみだしたときも、監視カメラを経由してすぐに対処へ向かえます。場合によっては、監視カメラの映像がキッカケで患者さんの命を救えるかもしれません。
ナースコールと監視カメラの2段体制にすることで、より素早く患者さんのもとに駆け付けられます。
患者さんに近づく不審者に気付ける
病室には、家族や知り合いなど、さまざまな人が出入りします。自由に出入りできるようになっているため、患者さんに近づく不審者も簡単に侵入できます。
しかし、監視カメラが病室にあれば、不審者の侵入に気付けます。病院内に監視カメラの設置を記載したポスターを貼ると、不審者の侵入を未然に防げる可能性も高いです。
安心して患者さんが病室で病気を治せるように、監視カメラを設置しましょう。
病室で発生した事件をスムーズに解消できる
病室では、日常的に窃盗事件や患者さん同士のトラブルなどが発生します。
証拠が何もないと、病院側は対処しにくいです。
しかし、監視カメラを病室に設置していれば物的証拠となるため、万が一事件が発生してもスムーズに解消できます。
また、患者さんからのハラスメントや過剰なクレームなどから看護師を守れるようにもなります。認知症によって起こらなかった事件”も、監視カメラで防げるでしょう。
病室に監視カメラを設置するデメリットも
病室に監視カメラを設置する最大のデメリットは、監視カメラの管理業務が増える点です。
現在、深刻な看護師不足が課題となっている病院がたくさんあります。凄まじい業務量をこなしている看護師に、さらに業務を増やすとなると、うまくサイクルが回らなくなる可能性があります。
また、病室に監視カメラを導入する際もタダではありません。監視カメラの設置には一般的に「15万円~30万円」と言われており、工事が必要となることもあるなど、簡単に設置へ踏み込めないなど導入前後にさまざまな壁があります。
補助金の申請や無料相談などを用いて効率よく進めていくことが重要になるでしょう
病室に監視カメラを設置する注意点
病室に監視カメラを設置するときは、以下の3つに注意しましょう。
- 病室に監視カメラを設置することを必ずアナウンスする
- 病室に設置した監視カメラの運用マニュアルを遵守する
- 目的に沿った場所に設置する
病室に監視カメラを設置することを必ずアナウンスする
病室に監視カメラを設置する際は、必ず設置することを病院内でアナウンスしましょう。
許可なく防犯カメラを病室に設置すると、患者さんや看護師のプライバシーを侵害することとなります。最悪の場合、運営停止になるかもしれません。
まずは看護師も含めて病院内で監視カメラの設置について話し合い、必要か不要か決めましょう。話す際は、「病室に監視カメラを設置する目的」「設置するメリット・デメリット」など、知りたいことを伝えることが大切です。
病室に設置した監視カメラの運用マニュアルを遵守する
病室に監視カメラを設置する許可が下りたあとも、運用マニュアルを遵守することを心がけましょう。
監視カメラの運用マニュアルを無視して、万が一映像データが病院外に流れてしまった場合、さまざまなトラブルに発展しかねません。
「どうやって監視カメラを運用するか」「何をしてはいけないのか」といった使い方をまとめて、医者や看護師に共有しましょう。運用マニュアルを渡すだけでなく、会議を設けて直接伝えるようにすると、運用ミスの軽減が見込めます。
目的に沿った場所に設置する
監視カメラを病室に設置するときは、目的に沿った場所に設置することが大切です。
例えば、各患者さんの様子を確認する目的であれば、ベッド近くの天井などに設置するといいでしょう。出入りの記録目的なら、入口付近への設置が最適です。
何も考えずに監視カメラを設置すると、当初の目的を達成できません。まずは設置目的を明確にしたうえで、監視カメラの設置場所を検討しましょう。
専門業者に確認してもらえば、監視カメラの設置場所を的確に指定してくれます。「カメチョ」では無料で設置工事をご提案させていただきます。ご相談したいことがある場合は、お気軽にお問い合わせください。
病室に監視カメラを設置したらプライバシーの侵害になる?法律面から解説
病室に監視カメラを設置したからといって、必ずプライバシーの侵入になるわけではありません。
ただ、賛否のボーダーラインが設けられておらず、監視カメラの運用方法によってプライバシーの侵害に該当することも十分考えられます。
プライバシーの侵害は、監視カメラを設置するときに注意すべき法律です。監視カメラの個人情報保護法に関する内容は以下の記事で詳しく紹介しています。
また、人にモザイクをかけてプライバシーを保護する防犯カメラの紹介などもしているため、こちらも合わせてご覧ください。
病室内の監視カメラが該当する恐れのあるプライバシー侵害
病室内の監視カメラは、以下のプライバシー侵害に該当する可能性があります。
- 肖像権・個人情報
- 守秘事項
- 移動の自由
まず個人情報とは、個人が識別できる情報のことを意味するため、監視カメラの映像は個人情報に該当します。肖像権とは自身が写った画像や映像が無断で使用されないよう主張できる権利です。
病室内の監視カメラの運用次第では、個人情報を適切に扱っていないと判断されかねません。また画像や映像の利用範囲を示さず、許可も取らずに映像を使用した場合は肖像権の侵害となります。
守秘事項とは診察内容や病状について、隠しておきたいことを意味します。患者さんのなかには病状や状態を他人に隠しておきたいと考えている人がいるでしょう。しかし、監視カメラの映像には医師や看護師とのやりとりが残るため、映像に守秘事項が含まれている可能性が高いです。映像が第三者に流出した場合は、患者さんの個人情報と守秘事項が漏洩することとなり、大問題になります。
また、患者さんを監視することで、移動の自由という権利を侵害する可能性があります。監視されているプレッシャーで、自由に行動できなくなるためです。例えば常時患者さんを監視し、患者さんがトイレに行こうとした際に「どこに行くんですか」などと度々声をかけることは、移動の自由の侵害にあたる可能性があります。
また移動の自由は患者さんだけでなく、病院に勤務している医師や看護師、清掃員のすべてに適用されます。監視カメラを適切に運用をしないと、移動の自由を侵害しているとしてトラブルになる可能性があるでしょう。
プライバシーの侵害になるかどうかの鍵は「録画機能の有無」
病室に監視カメラを設置した際のプライバシー侵害問題は「録画機能の有無」によって大きく変わります。
録画機能のない監視カメラは、映像が一貫性のものになるため、プライバシーの侵害になる恐れはほとんどありません。その代わり、万が一発生したトラブルをスムーズに解決できなくなります。
一方、録画機能のある監視カメラだと、特定人物の行動や個人情報を搾取できるため、運用方法によってプライバシーの侵害になる恐れがあります。
プライバシーの侵害を気にするなら「録画機能のない監視カメラ」を、利便性を優先するなら「録画機能のある監視カメラ」を選ぶといいでしょう。
入院してもらう前に患者さん・家族に必ず監視カメラの使用許可を取ろう
監視カメラを導入後に入信してもらう際は、必ず患者さんや家族に監視カメラの使用許可を取りましょう。
許可なく監視カメラを運用すると、患者さんの肖像権や守秘義務などのプライバシーを侵害してしまいます。また、知らない間に撮られてたことを知るとトラブルになってしまうこともあります。
患者さんや家族に監視カメラの使用許可が下りれば普段通り運用し、拒否されたときは監視カメラのレンズ部分を隠すなどして、映らないように対応しましょう。
法律を守りながら効果的な場所へ病室に監視カメラを設置したいなら専門業者に依頼を
法律を守りながら効果的な場所へ病室に監視カメラを設置したい場合は、監視カメラの専門業者に依頼しましょう。
「カメチョ」は医療施設への設置実績があり、法律を遵守して監視カメラを導入させていただきます。
・身体にモザイクをかけてプライバシーを保護できるカメラ
・転倒を感知してアラートを流すことの出来るカメラ
のような医療現場に適したカメラのご提案も可能です
監視カメラに関する不明点や気になることなどの相談も無料で承っているため、まずは一度、カメチョへ気軽にお問い合わせください。
病室に監視カメラを設置して快適な環境作りを
今回は、病室に監視カメラを設置するメリットや注意点、プライバシーの侵害になるかどうかなどについて紹介しました。
病室に監視カメラを設置することで、患者さんの容態をいち早く察知できるほか、万が一発生したトラブルもスムーズに対処できるようになります。
プライバシー侵害の問題については、録画機能のない監視カメラであれば気にする必要はほとんどありません。
録画機能のある監視カメラはプライバシーを侵害する恐れがあるため、外部に映像が漏れたり私欲で利用されないよう徹底管理してください。
また、プライバシーを保護できる機能を持ったカメラを利用すると一層安心です
導入目的に合わせて病室に監視カメラを設置して、患者さんにとっても看護師にとっても快適な環境作りを目指しましょう。