PTZカメラとは?特徴やメリット、注意点などを紹介
防犯カメラにはさまざまな種類があり、中でもPTZカメラは遠隔操作でレンズを自由に動かせます。
自社に防犯カメラの導入を検討している中でPTZカメラを知り、「どんなカメラなのか」「自社に合っているか」などが気になっているのではないでしょうか。
本記事では、PTZカメラの特徴やメリット、導入事例などを紹介します。
PTZカメラについて詳しい情報を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
PTZカメラとは
PTZカメラとは「ピーティーゼットカメラ」「パンチルトズームカメラ」と呼ばれ、遠隔操作で動かせる防犯カメラです。
「水平回転=パン(P)」「垂直回転=チルト(T)」「拡大・縮小=ズーム(Z)」の頭文字を取っており、PTZカメラでは3つの機能を利用できます。
一般的な防犯カメラと違って撮影範囲を自在に変更しながら広くカバーできるため、防犯目的や現場の状況把握目的など、あらゆるシチュエーションに対応できる点が魅力的です。
元々PTZカメラは企業向けですが、最近は家庭用向けの小型PTZカメラも販売されていて、徐々に需要が高まっています。
PTZカメラの特徴は?メリットを解説
PTZカメラには、以下3つの特徴やメリットがあります。
- 形状は「PTZ型」が主流
- 防犯カメラを遠隔操作できる
- ズーム方式は2種類ある
形状は「PTZ型」が主流
防犯カメラの形状は種類が数多くありますが、PTZカメラは「PTZ型」が主流です。
PTZ型は半球隊の中にカメラが仕込んである形状で、防犯カメラでは一般的なボックス型やバレット型より目立ちません。そのため、景観を損なわず現場を監視できます。
また、レンズがどの方向を撮影しているのかわかりにくくなっていて、不審者に防犯カメラの死角を狙われるリスクを軽減できる点もメリットです。
防犯カメラを遠隔操作できる
PTZカメラ最大の特徴は、1台で「水平回転」「垂直回転」「拡大・縮小」を遠隔操作できる点です。
リアルタイムでPTZカメラを細かく遠隔操作できるため、万引き犯や不審者の追跡もすぐにおこなえます。
PTZカメラの遠隔操作は、大きく3つの方法があります。
専用コントローラー
PTZカメラは基本的に、スマホやパソコンで使える専用コントローラーで操作します。専用コントローラーはタッチ操作やマウス操作で感覚的に利用でき、初めて利用する人でも簡単です。
専用コントローラー1台で、複数のPTZカメラを操作できます。操作台数は商品によって異なりますが、多いもので100台のPTZカメラを専用コントローラーで操れます。
ただし、専用コントローラーの操作とPTZカメラの動きに若干のラグがある点には注意しましょう。
プリセット機能
プリセット機能とは、PTZカメラの行動パターンをあらかじめ設定できる機能です。一度プリセットを設定しておけば、操作ひとつでPTZカメラを動かしたい位置へ移動できます。
PTZカメラの操作方法に慣れないときや、撮影範囲をパターン化するときにプリセット機能は便利です。
自動操作機能
PTZカメラの中には、以下のような自動操縦機能が搭載されているカメラもあります。
内容 | |
オートスイング機能 | 設定したプリセットを一定時間ごとに自動で切り替えてくれる機能 |
オートズーム機能 | 設定した対応物を見つけると自動で拡大してくれる機能 |
自動追尾機能 | 設定した対応物の動きに合わせて自動で追ってくれる機能 |
目的に応じてPTZカメラの自動操縦機能を活用すれば、より効果を実感できます。
ズーム方式は2種類ある
PTZカメラでおこなえるズームは2種類あり、「光学ズーム」と「デジタルズーム」です。
光学ズームは映像を拡大しても鮮明に映りますが、対するデジタルズームだと拡大するほど映像が粗くなります。映像内の遠い場所に書かれてある文字も、光学ズームとデジタルズームを活用すると読むことが可能です。
ただ、PTZカメラで光学ズームとデジタルズームを使えても、画素数が低ければ画質は粗いままです。ネットワークカメラだと200万~400万画素のHD画質で映像を確認できますが、デジタルカメラは最大48万画素程でHD画質には期待できません。
最近ネットワークカメラタイプのPTZカメラが増えてきているため、画素数をそこまで気にしなくても大丈夫です。
ネットワークカメラに関する詳細は別記事で紹介しています。詳しく知りたい人は、ぜひそちらも合わせてご覧ください。
PTZカメラを利用するときの注意点【デメリットを紹介】
PTZカメラは便利な機能やメリットがたくさんある一方で、以下のような注意点・デメリットもあります。
- 料金が少し高め
- 録画できるのは停止画角の範囲内
料金が少し高め
一般的な防犯カメラの料金は3万円~5万円程ですが、PTZカメラだと6~10万円程と倍近い価格です。高性能なPTZカメラであれば、1台100万円を超えるものもあります。
遠隔操作のスピードやズーム倍率、その他機能の搭載などにより、PTZカメラの料金は変動します。
設置する前に導入目的を明確化して、PTZカメラのスペックがどれ程あればいいか考えましょう。
録画範囲は限定される
PTZカメラは遠隔操作により広範囲の監視をおこなえますが、録画は停止画角の範囲内です。
対応策は、固定式の防犯カメラを併用する、全方位を撮影できる「360度カメラ」を利用するなどが挙げられます。設置場所や導入目的を踏まえて、対応策を練りましょう。
360度カメラの詳細は、以下の記事で紹介しています。気になる人は、合わせてご覧ください。
PTZカメラがよく利用されている設置場所
PTZカメラは遠隔操作であらゆる方向へ動かせるメリットを活かして、監視員のいない場所や監視が難しい場所の防犯目的に利用されるケースが多いです。
特にPTZカメラがよく利用されている設置場所は、3つあります。
店舗・社内オフィス
不特定多数の人が出入りする大型商業施設や社内オフィスなどに、防犯目的としてPTZカメラがよく設置されています。
店舗はレジやATM付近にPTZカメラを設置して、トラブルを未然に防ぎます。大型店舗であれば、不審人物をとらえるため天井に撮影範囲が360度のPTZカメラをつけると、防犯対策としてなお有効です。
社内オフィスは不審人物の防犯だけでなく、従業員が会社の機密情報を持ち出さないよう監視する目的に利用できます。PTZカメラだと、気になる人物を追跡しつつ、ズームで詳細を確認する際に便利です。
工場・プラント
遠隔操作で広範囲をカバーできるPTZカメラは、工場やプラントに点検目的で導入しています。
風力発電所のような高所も、PTZカメラを使えば安全に点検できます。また、機械が故障した際もPTZカメラの映像を確認すれば修理に必要な部品を事前に準備できるため、作業効率も向上します。
自然災害監視
地震や台風といった自然災害が発生したとき、現地で撮影すると非常に危険です。
PTZカメラを設置すると、自然災害が発生した瞬間からリアルタイムで映像を撮影・録画できます。地震による津波の状態も、PTZカメラでどのような状況なのか把握可能です。
自然災害だけでなく、日ごろ欠かせない海岸や河川の水位チェックも遠隔操作で管理できます。
PTZカメラを導入して防犯や監視対策を強化しよう
今回は、PTZカメラの特徴やメリット、導入事例などについて紹介しました。
PTZカメラは、「水平回転」「垂直回転」「拡大・縮小」を遠隔操作できる防犯カメラです。店舗や工場、自然災害監視などあらゆる場所に利用されていて、最近は一般家庭向けのPTZカメラも発売されています。
1台で防犯対策から監視目的まで、さまざまなシチュエーションに対応可能です。
ただ、PTZカメラひとつで全方位をカバーできず、料金も一般的な防犯カメラより高めです。そのため、PTZカメラと別の防犯カメラを併用することをおすすめします。
防犯カメラを導入する際に、「自社に合った防犯カメラがわからない」「そもそも自社にPTZカメラは必要なのか」などで悩む人は多いです。そのような場合は、防犯カメラの専門業者に問い合わせましょう。
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